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京都鉄瓶の知識

象嵌鉄瓶の知識

京象嵌の鉄瓶とは?

象嵌とは本体の素材に別の異なる素材をはめ込む技法をいいます。文字通り 象 は「かたどる」、嵌 は「はめる」
と言う意味があります。江戸時代に京都では駒井象嵌が鉄の鍛鉄の素材に金や銀を使った象眼を施し日本刀の鍔や
根付 鉄箪笥などに繊細な文様を入れ製作した。
基本的に鍛鉄に象嵌をいれていたが、明治期には明治政府が海外への輸出増進のため様々な工芸品を海外の博覧会に
出品するなかで鋳鉄で作った鉄瓶にも象嵌を入れ美術品として輸出製作され象嵌鉄瓶は高価ですが多数作られました。
しかし太平洋戦争の最中、鉄などの素材は国に供出することとなり京都に多数あった鉄瓶の工房も廃業していき
同時に象嵌鉄瓶の歴史も廃れ、製作されることもなくなっていきました。
現在 制作している象嵌鉄瓶は、長きにわたり製作技術も途絶えていたものを、弊社において再現した鉄瓶で
日本において最高の技術によって支えられています。

象嵌の工程

京鉄瓶の象嵌1

1 固定 布目切

鉄瓶の内部に松脂を入れ本体も松脂で固定し 鉄の表面を
鏨(タガネ)で手切りしていきます。平板とは違い曲面
ですので機械などを目切りはできないので熟練した職人でも
難しい重要な作業です。
京鉄瓶の象嵌技法2

布目切の範囲

鉄瓶の布目切をする範囲は金銭を入れる部分より大きく
全面に目切りしていきます。手切りの場合1mmの幅に
10本の縦横斜めの細かい溝を入れていきます。
溝の幅が広く荒いと繊細な文様は入りません。
象嵌 金の埋め込み

2 象嵌

目切りした面に純金(K24)や金箔を載せて文様を打ち込んで
いきます。純銀を入れることもありますが、純金のほうが
柔らかく粘りがあるので経験上、はがれにくいです。
象嵌 漆の焼き付け

3 漆の焼き付け

鉄瓶の表面に漆を焼き付け純金と鉄との段差を無くします。
また漆の焼き付けは鉄生地の腐食防止にもなります。
象嵌鉄瓶の完成

4 研ぎ出し

漆を焼き付けすると全面が黒くコーティングされるので
絵が入っている部分を鉄ベラで研ぎ出し表面に絵を
浮き立たせていきます。その後象嵌部分に彫金など施し
陰影をつける場合もあります。

加賀象嵌とは?

加賀象嵌の土台となる生地は銅器ととよばれる銅製品の象嵌をすることが多いかと思います。
銅製品は鉄に比べて柔らかく彫りやすいですが 近年、弊社での試みとして鉄生地に
加賀象嵌を施すことで象嵌鉄瓶を作ってきました。鉄生地に目を切るということは
タガネがすぐダメになるため大変労力のいる仕事となります。
京象嵌との違いは 加賀象嵌の場合、彫を入れたところにだけ 銀などの素材を埋め込みますので
京象嵌のような全面に目切りをしなくてもよく比較的効率の良い作業となります。
ただし京象嵌のような繊細な図柄は再現できません。ただし厚みを持った素材を入れ
凹凸を出し豪華に作ることも可能です。
銀などの象嵌の素材は打ち込む際に接着剤などを使ってはいけません。 
基本的には彫を末広に彫り外れないよう打ち込んでいきます。
 高堀象嵌鉄瓶  線象嵌鉄瓶  平象嵌鉄瓶  布目象嵌鉄瓶
 高彫象嵌  線象嵌  平象嵌  布目象嵌

象嵌と似て非なるもの

● メッキ処理   ●接着剤の貼り付け ●ペイント ●パテによる埋め込み ●彫りや地紋の研ぎ出し

時折見かけるものに上記の手法によって絵を浮き立たせた鉄瓶がみられますが、象嵌ではありません。
写真などでは見分けがつきませんが手に取ってみるとわかるケースもあります。象嵌とは手間も技術も
格段の違いがあります

鉄瓶の弦に関して

弦の種類

通常の鉄瓶の弦の素材は鉄で鍛金でできています。鋳物で作ると鉄に粘りがないので鉄瓶の耳に取り付け時に
割れることがあります。
また弦には様々な形状がありますが 古来より平板を丸めて空洞状の弦は熱くなりにくいので良いとされていますが
製造には手間がかかりコストがあがります。
また いまは廃業した亀文道の鉄瓶は銅の弦を使っており、弦を鉄瓶に止める部分も引っ掛けるような形状になっています

砂型鋳造 鉄瓶の製造工程

鉄瓶製造工程




焼型と生形の違い

焼型は通常、一点づくりの場合の製作方法です。
鉄を流す外型を焼くことから焼型といいます

生型は型作りの場合の製造方法になります
鉄を流す型を焼かずに生の砂型を使う鋳造法です

焼抜

焼抜きとは型に流して鋳造できた鉄瓶を真っ赤に
なるくらいに焼を入れ表面に酸化被膜をつけて 
錆止めにすると同時に焼を入れることによって鉄瓶は
少し縮んで締まります。

象嵌

京象嵌を本体に入れる場合は、焼抜き後①目切り
②入嵌して③漆で着色後④研ぎ出しの順で作業します。
加賀象嵌の場合は漆 鉄漿で着色後に彫りをいれ
入嵌していきます。

弦つけ
弦をつける部分の形状は主に二通りあります。
①鉄瓶の耳の穴に通す方法②弦に輪を作り挟み込む方法
その他 銅弦の場合は鉄瓶の耳に輪を作り引っかける
といった形状があります。






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有限会社 西村松寿堂

〒600-8063
京都府京都市下京区松原中之町484-2
TEL/FAX 075-351-0424
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2005年 京の老舗 認定

 ■明治18年 京都寺町にて創業
■昭和53年有限会社登記し茶道具・銅器・工芸品を扱い現在に至る。